なぜ「FX」と呼ぶ?外国為替証拠金取引の名前の由来と歴史

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普段何気なく使っている「FX」という言葉ですが、そもそも何の略なのか、いつから使われるようになったのかを説明できる人は意外と少ないのではないでしょうか。実はFXという名称には、通貨の歴史や日本の金融制度改革が深く関わっています。

この記事では、「FX」という言葉の由来から、日本でFXが誕生した歴史的な背景まで、雑学として楽しめる形でわかりやすく解説します。

この記事でわかること

・「FX」が何の略語なのか
・なぜ「外国為替証拠金取引」と呼ばれるのか
・海外での呼び方との違い
・世界の為替相場の歴史的な変遷
・日本でFXが誕生した経緯と最初のサービス
・「FX」という略語が持つ、意外な別の意味

目次

FXは「Foreign Exchange」の略

まず結論からお伝えすると、FXは「Foreign Exchange=外国為替」の略です。「Foreign(外国の)」の頭文字「F」と、「eXchange(交換)」の「X」を組み合わせて「FX」という略称が生まれました。英語の「eXchange」の「X」部分だけを取り出して略すという、少し変わった略し方をしている点が特徴です。

外国為替とは、異なる国の通貨を交換することを指します。海外旅行に出かける際に、日本円を現地の通貨に両替する行為も、広い意味では外国為替の一種です。この「通貨の交換」を投資の手段として活用し、通貨同士の交換比率(為替レート)の変動によって利益を狙う取引が、いわゆるFX取引ということになります。

なぜ「証拠金取引」と呼ばれるのか

正式名称である「外国為替証拠金取引」は、「外国為替(Foreign Exchange)」と「証拠金取引(Margin Trading)」を組み合わせた言葉です。英語表記では「Foreign Exchange Margin Trading」となります。

「証拠金」とは、取引を行うための担保として業者に預けるお金のことです。FXでは、この証拠金を担保にすることで、預けた金額の何倍もの規模の取引を行うことができます。この仕組みが「レバレッジ」と呼ばれるものであり、通常の外貨取引(外貨預金など)と大きく異なる特徴となっています。

つまり「FX」という言葉自体は本来「外国為替」全般を意味する言葉ですが、日本では特に「証拠金を使ったレバレッジ取引」を指す言葉として定着しているのです。

海外では「Forex」と呼ばれることが多い

興味深いことに、「FX」という呼び方は日本国内で特によく使われる略称です。日本国外では「Forex」(フォレックス)と呼ばれることが多く、これは「Foreign Exchange」が「Forex」に短縮され、さらに省略されて「FX」になったという経緯があります。

海外の金融ニュースやトレーディング業界では「Forex Trading」や「FX Market」といった表現が一般的で、日本のように「FX」という2文字だけで通じる略し方は、やや独自の使われ方といえるでしょう。海外の金融機関や書籍を参照する際には、この呼び方の違いを知っておくと理解がスムーズになります。

世界の為替相場の歴史

「FX」という言葉の由来を理解するには、そもそも為替相場がどのように変動するようになったのかという歴史的背景も欠かせません。

かつて世界の主要国では、通貨の交換比率をあらかじめ固定する「固定相場制」が採用されていました。日本円も長らく「1ドル=360円」という固定レートが維持されていた時代があります。しかし、各国の経済力の変化に伴い、固定されたレートを維持することが困難になっていきました。

そこで1973年、日本を含む先進国が、通貨レートをその時々の経済情勢や景気動向に応じて変動させる「変動相場制」へと移行しました。この変動相場制への移行によって、通貨の交換レートが日々刻々と変化するようになり、その変動を利用して利益を狙う「為替取引」という発想が生まれる土台が整ったのです。

日本でFXが誕生した経緯

日本でFXが個人投資家にも解放されたのは、実はそれほど古い話ではありません。1949年に施行された外国為替及び外国貿易管理法(外為法)では、為替取引が原則として禁止されており、1980年の法改正後も、為替取引を行えるのは銀行を中心とした一部の金融機関に限られていました。個人が自由に為替取引を行うことは、長らくできなかったのです。

この状況を大きく変えたのが、1996年に発足した第二次橋本内閣による「日本版金融ビッグバン」と呼ばれる抜本的な金融制度改革です。この改革の一環として、1998年に外為法が改正され、法律の名称からも「管理」の文字が削除されて「外国為替及び外国貿易法」となりました。この改正により、一般企業や個人でも自由に為替取引を行えるようになり、国内でのFX取引がスタートしたのです。

日本初のFXサービス「マージンFX」

法改正を受けて、日本で最初にFXサービスを開始したのが、当時の商品先物取引会社「ダイワフューチャーズ」(現在のひまわり証券)です。同社は1998年10月に、国内初の外国為替証拠金取引サービス「マージンFX」を開始しました。「マージン」とは証拠金を意味する英語です。

もっとも、当時のサービス内容は、現在のFXとはかなり異なるものでした。口座を開設するには最低300万円の入金が必要とされ、取引単位も10万通貨からと、一般の会社員や主婦が気軽に始められる内容ではありませんでした。また、注文方法もインターネットではなく電話注文が基本であり、利便性の面でも現在とは大きく異なっていました。

その後、2000年5月にトレイダーズ証券(現在のみんなのFX運営会社)が国内で初めて、インターネットを利用した個人投資家向けのFXサービスを開始しました。折しもブロードバンドが急速に普及していった時期と重なり、これをきっかけにFXの市場は急速に拡大していくことになります。

一方で、当時はFX業者への明確な規制や監督官庁が存在しなかったため、悪質な業者による勧誘トラブルも社会問題化しました。こうした問題を受けて、2005年には金融先物取引法が改正され、FX業者は登録制となり、顧客保護のための各種ルールが整備されていきました。2007年にはこの規制内容が金融商品取引法に統合され、現在に至る規制の枠組みが形作られていったのです。

「FX」という略語の意外な多義性

ちなみに「FX」という2文字のアルファベットは、金融の世界以外でもさまざまな意味で使われています。映画やゲームの世界では、特殊効果を意味する「SFX(Special Effects)」や、視覚効果を意味する「VFX(Visual Effects)」の略として「FX」が使われることがあります。また、ソフトウェアの分野では「Adobe Flex」の略称として、医療の分野では「骨折(fracture)」を意味する略語として使われることもあります。

このように「FX」という文字列は業界によって全く異なる意味を持つため、初めて目にする人にとっては紛らわしく感じられることもあるでしょう。しかし、金融・投資の文脈においては、「FX=外国為替証拠金取引」という意味で使われることが圧倒的に一般的であり、日本国内では完全に定着した呼び方となっています。

まとめ

「FX」という言葉は、「Foreign Exchange(外国為替)」の頭文字とXを組み合わせた略称であり、正式には「外国為替証拠金取引」を意味します。海外では「Forex」という呼び方が主流であるのに対し、日本では「FX」という2文字の略称が広く定着している点は、日本特有の言葉の使われ方といえるでしょう。

その背景には、1973年の変動相場制への移行、そして1998年の外為法改正という日本の金融制度改革の歴史があります。300万円もの入金が必要だった電話注文の時代から、インターネットの普及によって誰もが少額から気軽に取引できる現在の姿へと、FXは20年以上の歴史の中で大きく姿を変えてきました。

普段何気なく使っている「FX」という言葉の背景には、こうした通貨制度や金融規制の歴史が詰まっています。名前の由来を知ることで、FXという金融商品への理解がより一層深まるのではないでしょうか。

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