FXの利益というと、レートの変動を狙った短期的な売買をイメージする方が多いかもしれません。しかし実は、ポジションを保有しているだけで毎日コツコツと得られる「スワップポイント」という利益もあります。
この記事では、スワップポイントの基本的な仕組みから、マイナスになるケース、長期運用で失敗しないためのコツまで、初心者にもわかりやすく解説します。
- スワップポイントとはどのような仕組みか
- スワップポイントがプラス・マイナスになる条件
- スワップポイントの計算方法
- 長期運用でスワップポイントを狙うメリットと注意点
- 失敗しないための運用のコツ
スワップポイントとは何か
スワップポイントとは、取引する2つの国の通貨間に生じる金利差から発生する損益のことです。「金利差調整分」とも呼ばれます。各国にはそれぞれ政策金利が定められており、この金利水準の差によって、ポジションを保有しているだけで日々損益が発生する仕組みです。
FXでは、金利の低い国の通貨を売って金利の高い国の通貨を買うと、ポジションを保有している日数分だけ、金利差分の利益を受け取ることができます。たとえば、金利1.0%で日本円を借り、金利3.75%の米ドルを保有すると考えれば、その差である2.75%相当がスワップポイントとして発生するイメージです。
FXの利益には、為替レートの変動によって得られる「為替差益」と、このスワップポイントによる「金利差益」の2種類があることを覚えておきましょう。
| 利益の種類 | 内容 |
|---|---|
| 為替差益(キャピタルゲイン) | レートの変動によって得られる利益 |
| スワップポイント(インカムゲイン) | 通貨間の金利差によって、保有している間毎日発生する利益 |
スワップポイントがプラスになる条件・マイナスになる条件
スワップポイントは、必ず受け取れるものではありません。取引する通貨の組み合わせと売買の方向によって、受け取れる場合(プラススワップ)と、逆に支払わなければならない場合(マイナススワップ)があります。
| ポジションの組み合わせ | 結果 |
|---|---|
| 低金利通貨を売り、高金利通貨を買う | プラススワップ(受け取り) |
| 低金利通貨を買い、高金利通貨を売る | マイナススワップ(支払い) |
たとえば、日本円のような低金利通貨を売り、南アフリカランドやメキシコペソなど日本円より高金利の通貨を買うことで、スワップポイントを受け取ることができます。逆に、高金利通貨を売って低金利通貨を買うポジションを持つと、その金利差分を毎日支払わなければならず、長期間保有すると損失が積み重なってしまう点には注意が必要です。
また、ポジションを保有し始めた当初はスワップポイントがプラスだったとしても、各国の金融政策や経済情勢によって金利差が縮小すると、スワップポイントが減少したり、マイナスに転じたりすることもあります。スワップポイントは日々変動するものであるため、こまめに確認する習慣が大切です。
スワップポイントの計算方法
スワップポイントの基本的な計算式は、次のとおりです。
スワップポイント(円)=ポジションの数量×通貨間の金利差(%)÷365(日)×円評価レート
たとえば、政策金利がメキシコ6.50%、日本1.00%の場合、金利差は5.50%です。この金利差をもとに、保有している通貨量に応じたスワップポイントが日々発生する仕組みになっています。
なお、スワップポイントは政策金利のみで決まるわけではなく、短期金利市場の影響も受けるため、金利差そのものが直接スワップポイントの金額として反映されるわけではない点にも注意しましょう。実際の受け取り額・支払い額は、FX会社が独自に設定する「スワップカレンダー」などで日々確認できます。
スワップポイントの受け取りタイミング
スワップポイントは、原則として毎日、決まった時間(取引日のニューヨーク市場のクローズ時間)を基準に、翌取引日に持ち越された建玉(ポジション)に対して発生します。
そのため、次のような取引スタイルの違いによって、スワップポイントの受け取り方に差が出る点も押さえておきましょう。
- スキャルピングやデイトレード:原則として当日中に決済するため、スワップポイントは基本的に付与されない
- スイングトレードやポジショントレード:ポジションを翌日以降に持ち越すため、スワップポイントが発生する
また、土日はFX市場が休場となるため、水曜日から木曜日にかけてポジションを持ち越した場合には、土日分を含めた複数日分のスワップポイントがまとめて付与されるのが一般的です。
スワップポイントを狙った長期運用のメリット
スワップポイントを狙った長期保有には、短期売買にはない魅力があります。
- ポジションを保有するだけで収益が発生する:難しいチャート分析をしなくても、保有し続けているだけで利益が積み上がる
- 忙しい人でも取り組みやすい:頻繁な取引が不要なため、日中忙しい会社員や主婦の方でも無理なく続けられる
- 短期売買に比べて取引コストが低い:売買回数が少ないため、スプレッドなどのコストを抑えやすい
- 複利効果が期待できる:受け取ったスワップポイントを再投資に回すことで、長期的な資産形成につながる可能性がある
銀行の預金利息と似たイメージを持たれることもありますが、預金利息が年に数回しか受け取れないのに対し、スワップポイントはポジションを保有している間、原則として毎日受け取れる点が大きな違いです。
長期運用で失敗しないための注意点とコツ
一方で、スワップポイント狙いの長期運用には、押さえておくべき注意点もあります。
注意点1:スワップポイントより為替差損の方が大きくなることがある
スワップポイントが高い通貨は、新興国通貨をはじめ値動きが大きい傾向があります。スワップポイントを受け取れていても、通貨自体の価値が下落してしまうと、為替差損がスワップポイントの利益を上回り、トータルで損失になってしまうことがあります。コツコツ積み上げてきた利益が、為替レートの急落で一気に失われるケースもあるため注意が必要です。
注意点2:金利差が縮小・逆転する可能性がある
各国の金融政策や経済情勢によって金利差が変化すると、スワップポイントが減少したり、プラスからマイナスに転じたりすることがあります。長期保有を前提とするなら、保有している通貨の国の金融政策には日頃から目を配っておくことが大切です。
失敗しないための運用のコツを整理すると、次のとおりです。
- レバレッジを低めに抑える:長期保有ではロスカットのリスクを避けるため、低レバレッジを心がける
- 証拠金に余裕を持たせる:為替変動で強制ロスカットにならないよう、必要保証金には十分な余裕を持たせる
- 複数の通貨ペアに分散する:特定の通貨に集中させず、リスクを分散させる
- スワップポイントをこまめに確認する:日々変動するため、マイナスに転じていないか定期的にチェックする
- 利益が取れるタイミングでは利確も検討する:スワップポイントの受け取りだけにこだわらず、為替差益が狙える場面では決済も選択肢に入れる
まとめ
スワップポイントとは、取引する2つの通貨間の金利差によって、ポジションを保有しているだけで日々発生する損益のことです。低金利通貨を売って高金利通貨を買うことでプラスの利益を狙える一方、逆の組み合わせではマイナスとなり、支払いが発生する点には注意が必要です。
長期運用でスワップポイントを狙う場合は、金利差だけでなく為替変動リスクにも目を配り、レバレッジを抑えながら無理のない範囲で運用することが、長く続けるためのコツといえるでしょう。
よくある質問
- スワップポイントとは簡単に言うと何ですか?
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通貨間の金利差から生まれる利益(または損失)のことです。ポジションを保有している間、原則毎日発生します。
- スワップポイントは必ずもらえますか?
-
いいえ。低金利通貨を買って高金利通貨を売る場合は、逆に支払いが発生します。
- スワップポイント狙いの運用に向いている人は?
-
日中忙しくて頻繁に取引できない人や、長期的にコツコツ資産を増やしたい人に向いています。
- スワップポイントだけに頼るのは危険ですか?
-
はい。為替差損がスワップポイントの利益を上回ることがあるため、通貨の値動きにも注意が必要です。

