「エントリーはしたいけど、その後の決済までずっとチャートに張り付いていられない」
そんな悩みを解決してくれるのが「IFD注文」です。新規注文と決済注文をあらかじめセットで出しておくことで、相場を見ていない時間でも計画的な取引が可能になります。
この記事では、IFD注文の基本的な意味から、具体的な仕組み、メリット・デメリット、他の注文方法との違いまで、初心者にもわかりやすく解説します。
- IFD注文とは何か、基本的な仕組み
- IFD注文の具体的な使い方(買いの場合・売りの場合)
- IFD注文のメリット
- IFD注文のデメリットと注意点
- IFD注文とOCO注文・IFO注文の違い
IFD注文とは何か
IFD注文とは、英語の「If done」のことです。ifは「もし」、doneはFXの世界で「成立」を意味します。新規注文と同時に、その新規注文が成立した際に初めて有効になる決済注文をセットで出すことができる注文方法です。
たとえば、「1ドル=110円のときに新規で買い、1ドル=115円になったら決済で売る」というような注文を一度に出したい場合に有効です。新規で成立したポジションに対する2つの注文(新規注文とその決済注文を組み合わせた注文)を同時に出しておき、最初の新規注文が約定した時点で、2つ目の決済注文が有効になる仕組みです。
新規注文と決済注文まで予約をすることができるため、取引画面を開き続けてタイミングを待つ必要がありません。なお、新規注文が約定しなければ、決済注文が発動されることはありません。
IFD注文の具体的な使い方
IFD注文の決済注文では、指値注文(利益確定)と逆指値注文(損切り)の2つの使い方があります。
| 決済の種類 | 使い方の例 |
|---|---|
| 指値(利益確定) | 「もし〇〇円になったら新規で買い注文をし、その後上昇し〇〇円になったら決済」し利益を確定する |
| 逆指値(損切り) | 「もし〇〇円になったら新規で買い注文をし、その後予想と反対に動いたら〇〇円で決済」し損切りする |
具体的な例で見てみましょう。目の前で1米ドル=109円まで円高が進んでいて、さらにもう少しその傾向が続いた後に円安へと流れが反転すると予想したケースを考えます。この場合、IFD注文では「108円以下になったら買う」という新規建てのための指値と、「114円以上になったら売る」という決済のための指値を同時に入れることができます。
このように、新規注文がどのようなレートで約定するかわからない段階でも、あらかじめ決済のルールまでセットで決めておけるのが、IFD注文の大きな特徴です。
IFD注文のメリット
IFD注文には、次のようなメリットがあります。
- 相場を見続ける必要がない:新規注文から決済注文までを自動化できるため、常にチャート画面を見ている必要がありません
- 感情に左右されない取引ができる:あらかじめルールを決めて注文しておくことで、その場の感情で判断がぶれるリスクを減らせます
- 忙しい人でも計画的な取引ができる:仕事や家事で忙しく、頻繁に相場を確認できない人でも、あらかじめ立てた戦略に沿った取引が可能です
IFD注文のデメリットと注意点
一方で、IFD注文には次のようなデメリットもあります。
- 利益確定か損切りのどちらか一方しか自動化できない:IFD注文のデメリットは、決済注文として利益確定か損切りかのどちらか一方しか設定できないことです。設定しなかった片方の注文を予約したい場合は、手動で行う必要があります
- 新規注文が約定しなければ意味がない:現在の価格と乖離した水準で新規注文を予約すると、時間が経過しても約定しないことがあります
- 急な相場変動でスリッページが発生する可能性がある:特に変動の激しい相場では、想定と異なる価格で約定するリスクがあります
決済側で利確・損切りのどちらか一方しか設定できない点は、IFD注文を使ううえで特に押さえておきたい注意点です。両方をあらかじめセットしておきたい場合は、後述するIFO注文を検討するとよいでしょう。
IFD注文とOCO注文・IFO注文の違い
IFD注文と混同されやすい注文方法に、OCO注文とIFO注文があります。それぞれの違いを整理すると、次のようになります。
| 注文方法 | 特徴 |
|---|---|
| IFD注文 | 新規注文と決済注文(利確または損切りのどちらか一方)をセットで出す |
| OCO注文 | 2つの決済注文(利確と損切り)を同時に出し、どちらか一方が成立したらもう一方は自動でキャンセルされる |
| IFO注文 | IFD注文とOCO注文を組み合わせ、新規注文+利確+損切りをすべて一度に設定できる |
IFO注文は、IFD注文とOCO注文を組み合わせた注文方法です。新規注文が成立したらOCO注文として、利益を確定する決済の指値注文と、損失を確定する決済の逆指値注文の両方が有効となり、どちらか一方の決済注文が成立したら、もう片方の未成立の決済注文は自動的にキャンセルされます。
IFD注文の場合は、新規で成立したポジションに対する利益確定、もしくは損失確定のどちらか一方の決済注文しか出すことができませんが、IFO注文なら利益確定と損失確定の両方の決済注文を出すことができます。利益を確定したい水準もあらかじめ決まっている場合は、IFO注文の利用がおすすめです。
IFD注文を使ううえでのポイント
IFD注文を実際に活用する際は、次の点を意識するとよいでしょう。
- 新規注文が成立するレートを現実的に設定する:現在の相場から大きく乖離した価格を設定すると、長期間約定しない可能性があります
- 損切りを重視する場合は逆指値を選ぶ:FXで生き残るためには損切りが重要です。損切りをしなければ、損失が大きく膨らんで資金がすぐになくなる可能性があります。まずは損切りを優先してIFD注文を活用する考え方もあります
- 決済方法を柔軟に見直す:IFD注文でポジションを持ったあとでも、注文を取り消せば決済をOCO注文に変更することも可能です
トレーダーはチャート分析をもとに相場を予想しますが、すべてが予想通りにいくとは限りません。だからこそ、あらかじめ新規注文と決済注文をセットで予約できるIFD注文は、感情に左右されない計画的な取引を実践するうえで役立つ注文方法といえます。
まとめ
IFD注文とは、「If done(もし約定したら)」の略で、新規注文とその決済注文をセットで出しておける注文方法です。新規注文が成立して初めて決済注文が有効になる仕組みのため、相場を見ていない時間でも、エントリーから決済まで計画的な取引を行うことができます。
ただし、決済注文は利益確定か損切りのどちらか一方しか設定できない点には注意が必要です。両方を同時に設定したい場合は、IFD注文とOCO注文を組み合わせたIFO注文の活用も検討してみましょう。
よくある質問
- IFD注文とは簡単に言うと何ですか?
-
新規注文と、その決済注文(利確または損切りのどちらか)をセットで出しておける注文方法です。
- IFD注文とOCO注文の違いは何ですか?
-
IFD注文は新規+決済のセット、OCO注文は2つの決済注文のどちらかが成立するとキャンセルされる仕組みです。
- IFD注文で利確と損切りを両方設定できますか?
-
IFD注文単体では片方のみです。両方設定したい場合はIFO注文を利用します。
- 新規注文が約定しなかった場合、決済注文はどうなりますか?
-
新規注文が約定しない限り、決済注文が発動されることはありません。

