「利益確定の指値を入れておきたいけど、もし予想が外れたら損切りも設定しておきたい」
この2つの注文を同時に出せる便利な方法が「OCO注文」です。片方が成立すれば、もう一方は自動でキャンセルされるため、放置していても矛盾なく取引が管理できます。
この記事では、OCO注文の基本的な意味から、新規注文・決済注文それぞれの具体的な使い方、メリット・デメリット、他の注文方法との違いまで、初心者にもわかりやすく解説します。
- OCO注文とは何か、基本的な仕組み
- OCO注文の使い方(決済注文・新規注文)
- OCO注文のメリット
- OCO注文のデメリットと注意点
- OCO注文とIFD注文・IFO注文の違い
OCO注文とは何か
OCO注文とは「One Cancels the Other(一方が他方をキャンセルする)」の頭文字を取った注文方法です。2つの注文を同時に出しておき、いずれか一方の注文が成立したら、もう一方の注文は自動的にキャンセルされる仕組みになっています。
OCO注文は、新規注文・決済注文のどちらでも活用できますが、決済注文で利用するのがより一般的です。相場がどちらに動くかわからない場面や、利益確定と損切りを同時に予約しておきたい場面で、非常に役立つ注文方法です。
OCO注文の使い方①決済注文で使う場合
OCO注文が最もよく使われるのが、保有しているポジションに対する決済注文としての活用です。
たとえば、1ドル=155円で米ドル/円の買いポジションを持っており、「156円になったら利益確定、154円になったら損切り」したいと考えたとします。この場合、「156円で指値注文(売り)」「154円で逆指値注文(売り)」を同時に発注しておくことができます。
| 決済注文の種類 | 価格の指定方法 | 役割 |
|---|---|---|
| 指値注文 | 現在よりも有利な価格 | 利益確定 |
| 逆指値注文 | 現在よりも不利な価格 | 損切り |
先に156円まで上昇して指値注文が約定すれば、154円の逆指値注文は自動的にキャンセルされます。逆に154円まで下落して逆指値注文が約定した場合は、156円の指値注文が自動的にキャンセルされます。このように、決済注文でOCO注文を活用すると、利益確定のための指値注文と損切りのためのストップ注文(逆指値注文)を同時に出すことができるのです。
OCO注文の使い方②新規注文で使う場合
OCO注文は、まだポジションを持っていない状態の新規注文でも活用できます。
たとえば、現在のレートが100円で、「99円に下がったら買い注文を出したいけれど、101円に上がったら売り注文を出したい」と考えたとします。OCO注文ではこの2つの注文を同時に出しておくことができます。実際にレートが動いて99円になったら買い注文、101円になったら売り注文が出され、成立しなかった方の注文は自動的にキャンセルされます。
また、レンジ相場からのブレイクアウトを狙う場合にも活用できます。たとえば米ドル/円が95円から105円のレンジ相場を続けているとき、「95円または105円に到達したらレンジブレイクし、それぞれの方向に流れが加速する」と予想しているとします。この場合、上値の105円に新規買いの逆指値注文、下値の95円に新規売りの逆指値注文という2つの注文をOCO注文で同時に発注しておけば、どちらの方向にブレイクしても、その流れに乗ることができます。
OCO注文のメリット
OCO注文には、次のようなメリットがあります。
- 利益確定と損切りを同時に設定できる:2つの決済注文を同時に予約しておくことで、想定したシナリオ通りのトレードを行うことができます
- 片方の注文が自動的に取り消しになる:一方が約定するともう一方は自動でキャンセルされるため、手動でのキャンセル作業が不要です
- 相場を監視し続ける必要がない:仕事や家事でチャート画面をずっと見ていられない人でも、リスクコントロールをしながら取引ができます
- 感情に左右されない取引ができる:あらかじめ機械的に決済ルールを設定できるため、「損切りできない」「利益を伸ばしたくて決済のタイミングを逃す」といった感情的な判断ミスを防げます
OCO注文のデメリットと注意点
一方で、OCO注文には次のようなデメリットもあります。
- スリッページが発生する可能性がある:注文した価格と実際に成立する価格に差が生じる「スリッページ」が起こることがあります。特に流動性が低い通貨ペアなどは、スリッページが発生しやすい傾向があります
- 利益を伸ばせない場合がある:利益確定注文を出した場合、必ずその価格で利益が確定してしまうため、力が強いトレンド相場では、本来得られたはずの利益を逃してしまうこともあります
- 初心者にはレートの決め方が難しい場合がある:2つの注文を同時に出すため、テクニカル分析などから根拠のある価格を導き出す必要があり、慣れが必要です
- 設定したレートで約定しないときがある:現在の価格と乖離した水準を設定すると、なかなか約定しないことがあります
OCO注文を上手に活用するには、チャートの動きとレートの節目を理解することが重要です。テクニカル分析やリスク管理の知識と合わせて学んでいくとよいでしょう。
OCO注文とIFD注文・IFO注文の違い
OCO注文と混同されやすい注文方法に、IFD注文とIFO注文があります。それぞれの違いを整理すると、次のようになります。
| 注文方法 | 特徴 |
|---|---|
| OCO注文 | 2つの注文(新規または決済)を同時に出し、一方が成立するともう一方はキャンセルされる |
| IFD注文 | 新規注文と決済注文(利確または損切りのどちらか一方)をセットで出す |
| IFO注文 | IFD注文とOCO注文を組み合わせ、新規注文+利確+損切りをすべて一度に設定できる |
OCO注文とIFD注文、IFO注文の違いは「セットになる注文の種類」です。IFD注文は「新規注文と決済注文」がセットであるのに対し、OCO注文はすでにポジションを持っている場合、「利益確定の決済注文」と「損切りの決済注文」を同時に入れる仕組みになっています。IFO注文は、この2つを組み合わせることで、新規注文が成立した後に自動でOCO注文(利確・損切り)が有効になる、より発展的な注文方法です。
OCO注文を活用するコツ
OCO注文をよく使う場面として、次の2つが挙げられます。
- 相場がどちらに動くかわからないとき(新規注文):レンジ相場からのブレイクアウトなど、方向性が読めない局面で有効です
- 利益確定・損切りを同時に設定したいとき(決済注文):ポジションを持ったら、まずOCO注文で利確と損切りの両方を入れておくのがおすすめです
特に決済注文としての活用は「損小利大」を実現させるうえで有効な注文方法です。FX初心者はまず、ポジションを保有したら決済注文でのOCO活用から慣れていくとよいでしょう。
まとめ
OCO注文とは、2つの注文を同時に出しておき、一方が成立するともう一方が自動的にキャンセルされる注文方法です。決済注文として使えば利益確定と損切りを同時に設定でき、新規注文として使えば相場がどちらに動いてもチャンスを逃さずにエントリーできます。
チャートを監視し続けなくても、あらかじめ決めたルールに沿った取引ができる点が、OCO注文の大きな魅力です。スリッページのリスクや、利益を伸ばしきれない可能性がある点にも注意しながら、上手に活用していきましょう。
よくある質問
- OCO注文とは簡単に言うと何ですか?
-
2つの注文を同時に出し、一方が成立するともう一方が自動的にキャンセルされる注文方法です。
- OCO注文はどんな場面で使うのが一般的ですか?
-
保有ポジションに対する決済注文として、利益確定と損切りを同時に設定する使い方が一般的です。
- OCO注文とIFD注文の違いは何ですか?
-
OCO注文は2つの注文のどちらかが成立、IFD注文は新規注文成立後に決済注文が有効になる仕組みです。
- OCO注文にデメリットはありますか?
-
スリッページが発生する可能性があることや、利益確定価格に達すると強いトレンドでも利益を伸ばせない点に注意が必要です。
