「ドル円しか聴いたことがない」
FX口座を開設してみたものの、実際にどの通貨ペアで取引すればいいのか決めかねている人も多いはずです。
口座開設ややり方の手順を解説する記事は多くても、「そもそもどの通貨ペアを選ぶべきか」という一歩手前の疑問に答えている情報は意外と見つかりにくいものです。通貨ペアにはメジャー通貨・クロス円・マイナー通貨という大きな分類があり、それぞれスプレッドの狭さや値動きの荒さがまったく異なります。
この記事では、代表的な通貨ペアの特徴を比較しながら、初めて取引する通貨ペアをどう決めればいいのかを整理していきます。
口座開設や取引そのものの流れをまだ確認していない場合は、先に次の記事で全体の流れをつかんでおくと理解がスムーズです。

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FXの通貨ペアとは何か
FXにおける通貨ペアとは、異なる2つの国の通貨を組み合わせて、一方を買い一方を売る形で取引する対象のことです。表示は「USD/JPY」のように左側が基軸通貨、右側が決済通貨となり、米ドル/円であれば「1米ドルが何円に相当するか」を表しています。取引画面に並ぶ通貨ペアの数は数十種類にのぼりますが、実際に活発に取引されているのはそのうちの一部に限られます。
メジャー通貨・クロス円・マイナー通貨の3つの違い

通貨ペアは大きく分けると、メジャー通貨同士のペア、円を含むクロス通貨のペア、そして新興国通貨を含むマイナー通貨のペアの3つに整理できます。それぞれ取引量(流動性)が異なり、この差がそのままスプレッドの広さや値動きの荒さに直結します。
メジャー通貨
メジャー通貨とは、米ドル・ユーロ・日本円・英ポンド・スイスフラン・豪ドル・カナダドルなど、世界的に取引量が多い通貨を指します。中でも米ドルを含む「ユーロ/米ドル」や「米ドル/円」は、世界の外国為替市場全体でも取引量の上位を占めるペアです。取引量が多いということは、買いたい人と売りたい人が常に多く存在するということであり、結果としてスプレッド(売値と買値の差、実質的な取引コスト)が狭くなりやすく、値動きも比較的緩やかになる傾向があります。
クロス円
クロス通貨とは、米ドルを含まない2通貨の組み合わせを指します。日本の個人投資家にとってなじみが深いのは、円を含むクロス円と呼ばれるグループで、ユーロ/円や豪ドル/円、英ポンド/円などが該当します。クロス円は米ドル/円とユーロ/米ドルの値動きを合成した動きになりやすく、取引量が多いユーロ/円は比較的スプレッドが狭い一方、豪ドル/円やNZドル/円は資源価格や中国経済の動向に反応しやすいという特徴があります。
マイナー通貨(新興国通貨)
マイナー通貨は、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソといった新興国の通貨を指します。政策金利が高く設定されていることが多く、ポジションを保有しているだけで受け取れるスワップポイントの大きさが魅力とされる一方、取引量が少ないためスプレッドが広がりやすく、値動きも荒くなりがちです。政治情勢や格付け会社の評価、要人発言といった要因で短時間に水準が大きく変わることもあり、値動きの荒さに慣れないうちに手を出すと、想定より大きな損益の振れ幅に戸惑う可能性があります。
マイナー通貨は高いスワップポイントに目が向きがちですが、スプレッドの広さと値動きの荒さは取引コストそのものに直結します。取引に慣れるまでは、まずメジャー通貨やクロス円で値動きの感覚をつかんでおくのも一つの考え方です。
代表的な通貨ペア5つの特徴を比較

ここでは、実際によく取引されている5つの通貨ペアを取り上げ、分類・値動き・スプレッドの傾向を比較します。
| 通貨ペア | 分類 | 値動きの特徴 | スプレッドの傾向 |
|---|---|---|---|
| 米ドル/円 | メジャー | 比較的緩やかで、日米の経済指標に反応しやすい | 狭い |
| ユーロ/米ドル | メジャー | 世界最大級の取引量で、欧州・米州時間に動きやすい | 最も狭い水準 |
| ユーロ/円 | クロス円 | クロス円の中では比較的安定した値動き | 狭い |
| 豪ドル/円 | クロス円 | 資源価格や中国経済に敏感に反応しやすい | やや広い |
| トルコリラ/円 | マイナー | 高金利だが値動きが荒く、下落基調になりやすい | 広い |
米ドル/円は、日本に住むトレーダーにとって最も情報を集めやすい通貨ペアです。日米それぞれの経済指標や金融政策のニュースが日本語で豊富に手に入るため、値動きの背景を理解しながら取引しやすいという利点があります。
ユーロ/米ドルは、世界の外国為替取引の中でも取引量が最大級とされる組み合わせで、スプレッドの狭さでは他のペアより優位に立ちやすい通貨ペアです。アジア時間は比較的穏やかな値動きになりやすい一方、欧州時間や米国時間に入ると値動きが大きくなる傾向があるため、取引する時間帯によって値動きの印象が変わる点は意識しておきたいところです。
ユーロ/円は、クロス円の中では取引量が多く、値動きが比較的安定しているとされる通貨ペアです。ただし欧州の経済指標発表のタイミングでは変動が大きくなることがあり、油断はできません。
豪ドル/円は資源国通貨と日本円の組み合わせで、鉄鉱石などの資源価格や中国経済の動向に敏感に反応する傾向があります。同じ資源国通貨であるNZドル/円と近い値動きになりやすい点も特徴の一つです。
トルコリラ/円のような高金利通貨は、スワップポイントの大きさに注目が集まりますが、高インフレや政治的な不安定さを背景に、長期的には下落基調をたどりやすいとされています。スプレッドの広さと合わせて、取引コストとリスクの両面を見ておく必要があります。スワップポイントを狙った運用の考え方についてはスワップトレードとは?高金利通貨で狙う長期運用のメリット・デメリットでも詳しく解説しているので、気になる場合は目を通してみてください。
スプレッドの仕組みや、スプレッドが狭い会社の選び方をあらためて確認しておきたい場合は、次の記事も参考になります。

初めての通貨ペアを選ぶときの3つのポイント

ここまでの特徴を踏まえると、初めて取引する通貨ペアを決めるときに押さえておきたいポイントは次の3つに整理できます。
取引量が多くスプレッドが狭いペアを選ぶ:値動きが極端に荒くなりにくく、取引コストも押さえやすいため、最初の通貨ペアとして扱いやすくなります。具体的には米ドル/円やユーロ/米ドル、ユーロ/円などが候補になります。
情報の入手しやすさで選ぶ:日本語で経済指標や金融政策の情報を追いやすいかどうかも重要な基準です。米ドル/円であれば日米双方のニュースが豊富なため、値動きの背景を理解しやすくなります。
最初は1つのペアに絞って値動きの感覚をつかむ:複数の通貨ペアを同時に見ようとすると、値動きの特徴やニュースの影響度を把握しきれなくなります。まずは1つのペアに絞って一定期間取引し、値動きのクセをつかんでから、少しずつ他のペアに手を広げていく方法が無理のない進め方です。
通貨ペアを選んだあとにやること
取引する通貨ペアの方向性が決まったら、次はFX会社選びと口座開設です。会社によってスプレッドの水準や取り扱う通貨ペアの数が異なるため、選んだ通貨ペアのスプレッドが実際にどの程度かをあわせて確認しておくと安心です。口座開設の手順をまだ確認していない場合は、次の記事も参考にしてみてください。

口座開設が完了したら、いきなり大きな金額で取引を始めるのではなく、少額から実際の値動きを体感してみることをおすすめします。選んだ通貨ペアが自分の生活リズムに合った時間帯に動きやすいかどうかも、取引を続けるうえで意外と大切な視点です。
まとめ
通貨ペアは、メジャー通貨・クロス円・マイナー通貨という3つの軸で整理すると、スプレッドや値動きの特徴が見えやすくなります。取引に慣れないうちは、取引量が多くスプレッドの狭い米ドル/円やユーロ/米ドル、ユーロ/円といったペアを選び、1つのペアで値動きの感覚をつかんでから取引の幅を広げていくと、無理なくステップアップしていけます。
よくある質問
- 初めて取引するならどの通貨ペアがいいですか?
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取引量が多くスプレッドが狭い米ドル/円やユーロ/米ドル、ユーロ/円が候補になります。まずは1つのペアに絞って値動きに慣れていくとよいでしょう。
- マイナー通貨は避けたほうがいいですか?
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絶対に避けるべきというわけではありませんが、スプレッドが広く値動きも荒いため、取引に慣れないうちはリスクが大きくなりやすい点は理解しておく必要があります。
- クロス円とは何ですか?
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米ドルを含まない通貨と日本円を組み合わせた通貨ペアの総称で、ユーロ/円や豪ドル/円などが代表例です。
- 通貨ペアはいくつまで同時に取引していいですか?
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明確な上限はありませんが、値動きの把握が難しくなりやすいため、最初のうちは1~2ペア程度に絞るのがおすすめです。

