「FXの確定申告、何から手をつければいいのか分からない。」
年間取引報告書を前に、そんな状態で手が止まってしまう人も多いでしょう。FXの税金の仕組みや申告分離課税についてはすでに調べたけれど、実際に申告書を作る段になって必要書類や記入欄で迷う、というケースは多いものです。
この記事では、FXの確定申告を実際に進める手順にしぼって、用意する書類と申告書への書き方の流れを解説します。※本記事は一般的な手続きの流れを紹介するものです。税額の具体的な計算や記入内容については、必ず国税庁の最新情報またはお近くの税務署・税理士にご確認ください。税制は年度によって変わることがあります。
FXおすすめリンク集
FX会社おすすめ比較一覧|評判・人気で選ぶ初心者も安心の業者
【2026年9月】今月のFX会社お得キャンペーン情報|キャッシュバック比較
取引ツールでFX会社を比較!PC・スマホアプリの使いやすさで選ぼう
デモトレードができる国内FX会社まとめ|無料でお試し体験できる口座一覧
FXの税率や課税の仕組み自体をまだ詳しく確認していない場合は、先に制度の全体像を押さえておくと、このあとの手順もスムーズに理解できます。

FXの確定申告が必要になる人の目安
国税庁の情報によれば、FXの利益は「先物取引に係る雑所得等」として申告分離課税の対象になり、税率は所得税15%・住民税5%に、復興特別所得税0.315%を加えた合計20.315%とされています。この税率は、株式の特定口座のような源泉徴収の仕組みがないため、一定の要件に該当する場合は原則として自分で確定申告を行う必要がある、という前提につながります。
給与所得のある会社員であればFXなどの利益が年間20万円を超える場合、給与以外に収入のない専業主婦・学生などであれば48万円を超える場合に申告が必要になる、というのが一般的な目安です。ただし実際に対象となるかどうかは、他の所得の状況も含めた総合的な判断が必要です。正確な要否については、税理士または税務署に確認することをおすすめします。
また、その年の損益がマイナスであっても、翌年以降に損失を繰り越して控除を受けたい場合は、利益の有無にかかわらず確定申告が必要になります。この点は後述の繰越控除の項目であらためて触れます。
確定申告に必要な書類一覧

FXの確定申告でそろえる書類は、他の所得の申告に比べると種類が多く見えるかもしれません。ですが、中心になるのは年間取引報告書と、そこから作成する計算明細書の2つです。主な書類を以下にまとめました。
| 書類 | 内容・入手先 |
|---|---|
| 年間取引報告書(年間損益報告書) | 利用しているFX会社のマイページ等からダウンロードできる、1年間の取引実績をまとめた書類。複数の会社で取引している場合は会社ごとに用意する |
| 先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書 | 年間取引報告書の数値をもとに、収入金額・必要経費・所得金額を計算して記入する明細書 |
| 確定申告書第一表・第二表 | 給与所得など他の所得も含めて、申告内容全体をまとめる基本の申告書 |
| 確定申告書第三表(分離課税用) | FXの所得を申告分離課税として記載するための申告書 |
| 所得税及び復興特別所得税の申告書付表(先物取引に係る繰越損失用) | 前年以前の損失を繰り越して控除を受ける場合にのみ必要になる書類 |
| マイナンバーが分かる書類・本人確認書類 | マイナンバーカード、または通知カードと運転免許証などの組み合わせ |
| 還付を受ける口座の情報 | 還付金が発生する場合に必要な、本人名義の口座番号 |
| (給与所得がある場合)源泉徴収票 | 給与所得と合算して申告書第一表・第二表に記入する際に使用 |
複数のFX会社を利用している場合は、すべての会社から年間取引報告書を取り寄せ、損益を合算する必要があります。1社分だけで申告してしまうと、所得金額を正しく計算できません。
申告書の書き方|第一表・第二表・第三表への記入の流れ

書類がそろったら、実際に申告書へ記入していきます。国税庁の確定申告書等作成コーナーを使う場合も、手書きで作成する場合も、基本的な流れは同じです。ここでは記入の順序に沿って手順を紹介します。
- 年間取引報告書で収入金額を確認する。1年間の差金等決済による損益とスワップポイントの損益を合計し、複数のFX会社を使っている場合はすべての会社の分を合算します。
- 必要経費を集計する。取引にかかった売買手数料や、相場分析のために購入した書籍代、有料の情報サービス利用料など、業務に必要と考えられる支出をまとめます。私的利用分との按分が必要になるケースもあるため、判断に迷う場合は税理士に確認しましょう。
- 「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」を作成する。収入金額から必要経費を差し引いた所得金額を、この明細書に記入します。複数のFX会社の損益がある場合も、この明細書上でまとめて計算します。
- 計算明細書の所得金額を確定申告書第三表(分離課税用)に転記する。第三表の「先物取引」に該当する欄に、明細書で計算した所得金額を記入します。
- 給与所得など他の所得を確定申告書第一表・第二表に記入する。源泉徴収票の内容や社会保険料控除、医療費控除など、適用を受ける控除もあわせて記入し、納める税額または還付される税額を計算します。
- 繰越損失を控除する場合は申告書付表に記入する。前年以前から繰り越している損失がある場合は、所得税及び復興特別所得税の申告書付表にその金額を記入し、その年の利益から控除します。
国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用する場合は、「申告する所得の選択等」の画面で「先物取引」を選び、「収入・所得の入力」画面にある「先物取引に係る雑所得等」の欄から入力を進める形になります。年間取引報告書の数字を見ながら画面の案内に沿って入力すれば、収入金額や必要経費の欄が埋まり、第三表への転記も自動で行われます。手書きで作成する場合に比べて、転記ミスを防ぎやすい方法といえます。
申告方法と提出期限
申告書が完成したら、いずれかの方法で税務署へ提出します。それぞれの特徴を簡単に整理しました。
| 提出方法 | 特徴 |
|---|---|
| e-Tax(マイナンバーカード方式など) | 自宅から24時間送信できる。還付が比較的早く処理されやすいとされる |
| 確定申告書等作成コーナーで作成し印刷して提出 | 国税庁のシステムで入力しながら作成し、印刷した書類を税務署へ郵送・持参する |
| 手書きで申告書を作成し提出 | 用紙は税務署や国税庁サイトから入手できる。記入内容に不安があれば申告相談会場を利用できる |
申告と納税の期間は例年おおむね2月中旬から3月中旬までとされていますが、曜日の並びによって年ごとに数日前後することがあります。提出期限は必ずその年の国税庁の発表で最新の日付を確認してください。還付を受けるだけの申告(還付申告)については、この期間より前から提出できる場合があります。
損失が出た場合の繰越控除の申告

その年のFX取引が損失だった場合でも、確定申告をしておくことで翌年以後の利益と相殺できる「繰越控除」という制度があります。国税庁の情報によれば、先物取引に係る雑所得等の損失は、翌年以後3年間にわたって繰り越し、各年の先物取引に係る雑所得等の利益から控除できるとされています。
この繰越控除を受けるためには、損失が出た年だけでなく、控除を使い切るまでの期間、取引の有無にかかわらず毎年連続して確定申告を行う必要があるとされています。途中でひと月でも申告を止めてしまうと、繰り越しの適用が受けられなくなる可能性があるため注意が必要です。
なお、先物取引に係る雑所得等の損失は、同じ先物取引の枠内(他社のFX、CFD取引、取引所の先物・オプション取引など)の利益とは通算できますが、給与所得や事業所得など性質の異なる所得とは損益通算できないとされています。損益通算や繰越控除をどこまで自分のケースに適用できるかは、経費の考え方や法人化の検討ともあわせて判断が必要な、やや専門的な領域です。

確定申告の期限に間に合わなかった場合の注意点
申告が必要だったにもかかわらず期限内に提出できなかった場合や、そもそも申告を忘れていた場合は、気づいた時点でできるだけ早く手続きをすることが大切です。国税庁の情報によれば、期限後の申告や無申告には、本来の税額に加えて延滞税や加算税が発生する場合があるとされています。
これらの税額や適用条件は制度改正によって変わることがあるため、具体的な金額や自分のケースへの当てはめについては、税務署や税理士に相談しながら進めることをおすすめします。「忘れていたから今さら申告しづらい」と先延ばしにするより、早めに動いたほうが結果的に負担を抑えられるケースが多いといえます。
まとめ
FXの確定申告は、年間取引報告書をもとに収入金額と必要経費を計算し、先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書、確定申告書第三表(分離課税用)、そして第一表・第二表へと転記していく流れで進みます。損失を繰り越したい場合は、利益が出ていない年も含めて連続して申告する必要がある点も覚えておきたいポイントです。
本記事で紹介した書類や手順は一般的な流れであり、実際の記入内容や適用できる控除は一人ひとりの状況によって異なります。申告書を作成する際は、国税庁の確定申告書等作成コーナーの案内を確認しながら進め、不明な点があれば税務署や税理士に相談してください。
よくある質問
- FXの確定申告はいくらの利益から必要になりますか?
-
給与所得のある会社員であれば年間の利益が20万円超、給与以外に収入のない方であれば48万円超が一般的な目安とされています。ただし他の所得の状況によっても変わるため、正確な要否は税務署や税理士にご確認ください。
- 確定申告で必ず用意すべき書類は何ですか?
-
中心になるのは、FX会社が発行する年間取引報告書と、それをもとに作成する先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書です。複数の会社を利用している場合は、全社分の報告書が必要です。
- 申告書のどこにFXの利益を記入すればいいですか?
-
計算明細書で算出した所得金額を確定申告書第三表(分離課税用)に記入し、その内容を第一表・第二表に反映させる流れになります。
- 損失が出た年も確定申告した方がいいですか?
-
翌年以後3年間の繰越控除を利用したい場合は、損失が出た年も含めて連続して確定申告を行う必要があるとされています。
- 確定申告を忘れていた場合はどうすればいいですか?
-
気づいた時点でできるだけ早く税務署に相談し、手続きを行うことをおすすめします。放置すると延滞税や加算税が発生する場合があります。

