「MT4のインジケーター一覧にある『Bill Williams』のフォルダは何だろう」
MT4を使い始めたときに、そんな疑問を持った人もいるのではないでしょうか。
ビル・ウィリアムズ氏は、アリゲーター、フラクタル、オーサム・オシレーターなど、独自のテクニカル指標をいくつも考案したアメリカのトレーダーです。
これらの指標はMT4に標準で搭載されており、組み合わせて使うことを前提に設計されています。
この記事では、ビル・ウィリアムズ系の代表的な指標であるアリゲーター・フラクタル・オーサム・オシレーターの仕組みと見方、組み合わせ方、注意点までを解説します。
ビル・ウィリアムズ系の指標は、移動平均線をもとにしたものが多くあります。移動平均線の基本を確認しておくと、仕組みがわかりやすくなります。

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FX(外国為替証拠金取引)は元本が保証された金融商品ではありません。為替レートや金利の変動により損失が生じる可能性があり、レバレッジをかけた取引では、相場の急変時などに預け入れた証拠金を上回る損失が発生するおそれがあります。自動売買などの機能を使う場合も利益が保証されるわけではありません。取引を始める前に、各社の契約締結前交付書面や取引説明書をよく読み、仕組みとリスクを十分に理解したうえで、ご自身の判断で行ってください。
ビル・ウィリアムズとはどんな人物か
ビル・ウィリアムズ氏は、アメリカのトレーダーで、心理学の知識を相場分析に取り入れたことで知られています。著書『Trading Chaos』『New Trading Dimensions』などで、相場をカオス理論の視点からとらえる独自の考え方を紹介しました。
MT4には、ビル・ウィリアムズ氏が考案した指標が専用のフォルダにまとめて収録されています。
| 指標名 | 主な役割 |
|---|---|
| アリゲーター(Alligator) | トレンドの有無と方向を確認する |
| フラクタル(Fractals) | 目立つ高値・安値を示す |
| オーサム・オシレーター(Awesome Oscillator) | 相場の勢いを確認する |
| アクセラレーター・オシレーター(Accelerator Oscillator) | 勢いの加速・減速を確認する |
| ゲーター・オシレーター(Gator Oscillator) | アリゲーターの線の開き具合を表示する |
| マーケット・ファシリテーション・インデックス(MFI) | 値幅と出来高の関係を見る |
この記事では、この中から特によく使われるアリゲーター・フラクタル・オーサム・オシレーターの3つを取り上げます。
アリゲーター(Alligator)の仕組みと見方
アリゲーターは、期間とずらし幅の異なる3本の移動平均線で構成される指標です。3本の線をワニの「あご」「歯」「くちびる」に見立てています。
| 線の名前 | 計算の期間 | 未来へのずらし幅 |
|---|---|---|
| あご(Jaw・青) | 13本 | 8本 |
| 歯(Teeth・赤) | 8本 | 5本 |
| くちびる(Lips・緑) | 5本 | 3本 |
いずれも高値と安値の中間値をもとにした平滑移動平均線(SMMA)で、それぞれ未来の方向にずらして表示されます。
アリゲーターの見方
3本の線が絡み合っている状態は「ワニが眠っている」状態で、方向感のないレンジ相場を表します。この間は取引を控えるのが基本です。
3本の線が開き始め、上から緑・赤・青の順に並んで上向きになったら「ワニが口を開けて食事を始めた」状態で、上昇トレンドの発生を表します。反対に、上から青・赤・緑の順に並んで下向きなら下降トレンドです。線が再び近づき始めたら、トレンドが終わりに近づいているサインと考えます。
フラクタル(Fractals)の仕組みと見方
フラクタルは、連続する5本のローソク足のうち、真ん中の足の高値が左右2本ずつの高値より高い場合に、その高値に上向きの矢印を表示する指標です。安値の場合は、真ん中の足の安値が左右2本ずつの安値より低いときに下向きの矢印が表示されます。
つまり、フラクタルは「目立つ山と谷」を機械的に示してくれる指標です。
フラクタルの使い方
- 上のフラクタル(直近の高値)を価格が上に抜けたら、上昇の勢いが出てきたサインと考える
- 下のフラクタル(直近の安値)を下に抜けたら、下落の勢いが出てきたサインと考える
- 直近のフラクタルを損切りの位置の目安にする
ビル・ウィリアムズ氏の考え方では、フラクタルのブレイクは、アリゲーターの歯(赤線)より外側で起きたものだけを有効なサインとして扱います。
なお、フラクタルは右側に2本のローソク足が確定して初めて表示されるため、表示されるまでに時間差がある点に注意が必要です。
オーサム・オシレーターと3つの指標の組み合わせ
オーサム・オシレーター(AO)は、ローソク足の中間値((高値+安値)÷2)の5期間単純移動平均から、34期間単純移動平均を引いた値を、ヒストグラム(棒グラフ)で表示する指標です。
0ラインより上なら短期の勢いが長期より強い状態(上昇の勢い)、下なら下落の勢いがある状態を表します。前の棒より高い棒は緑、低い棒は赤で表示されます。
| AOのサイン | 内容 |
|---|---|
| ゼロラインクロス | 0ラインを下から上に抜けたら買い、上から下に抜けたら売りの目安 |
| ソーサー | 0ラインより上で、赤の棒のあとに緑の棒が出たら買いの目安(下ではその逆) |
| ツインピークス | 0ラインより下で、2つ目の谷が1つ目より浅く、その後緑の棒が出たら買いの目安(上ではその逆) |
3つの指標を組み合わせる流れ
3本の線が開いて同じ方向を向いているかを確認します。線が絡み合っている間は様子を見ます。
アリゲーターの歯(赤線)より外側にあるフラクタルを価格が抜けたところを、エントリーの候補にします。
AOがエントリーの方向と同じ側にあり、勢いが強まっているかを確認します。
反対側の直近のフラクタルなどを目安に、損切りの位置を決めてからエントリーします。
3つの指標はいずれも、トレンドの発生を確認するための道具です。トレンドフォローの考え方と相性がよいため、順張りと逆張りの違いもあわせて理解しておくと使いこなしやすくなります。

ビル・ウィリアムズ系の指標を使ううえでの注意点
1つ目は、レンジ相場ではサインがうまく機能しにくい点です。アリゲーターの線が絡み合う相場では、フラクタルのブレイクやAOのクロスがダマシになりやすくなります。
2つ目は、サインが遅れて出る点です。アリゲーターは移動平均線、フラクタルは右側2本の確定を待つ仕組みのため、トレンドの初動を少し遅れて確認することになります。
3つ目は、多くの指標を同時に表示するとチャートが見づらくなる点です。最初はアリゲーターとフラクタルの2つから試し、慣れてからAOを加えるとよいでしょう。
どの指標のサインも、相場の方向を約束するものではありません。エントリーの前に損切りの位置を決め、損失を資金に対して無理のない範囲に抑えてください。
まとめ
ビル・ウィリアムズ系の指標は、組み合わせて使うことを前提に設計された、MT4標準搭載のテクニカル指標です。
- アリゲーターは3本の線の開き具合で、レンジかトレンドかと、その方向を示す
- フラクタルは5本のローソク足から目立つ高値・安値を示し、ブレイクや損切りの目安になる
- オーサム・オシレーターは5期間と34期間の中間値の平均の差で、相場の勢いを示す
- レンジ相場ではダマシが増え、サインは遅れて出る
MT4を使っていれば、追加のインストールなしですぐに試せるのがビル・ウィリアムズ系の指標の利点です。まずはアリゲーターを表示し、線が絡み合う時期と開く時期で相場の動き方がどう違うかを観察してみてください。
よくある質問
- ビル・ウィリアムズ系の指標はMT4以外でも使えますか?
-
TradingViewなど主要なチャートソフトでも、アリゲーター・フラクタル・オーサム・オシレーターを利用できます。
- アリゲーターの線が絡み合っているときはどうすればよいですか?
-
方向感のないレンジ相場を示しているため、ビル・ウィリアムズ氏の考え方では取引を控えて、線が開くのを待つのが基本です。
- フラクタルの矢印が後から表示されるのはなぜですか?
-
フラクタルは、真ん中の足の右側に2本のローソク足が確定して初めて条件がそろうため、2本分遅れて表示されます。
- オーサム・オシレーターとMACDの違いは何ですか?
-
どちらも短期と長期の移動平均の差で勢いを見ますが、AOは中間値の単純移動平均(5と34)を使い、MACDは終値の指数平滑移動平均を使う点が異なります。

