「直近の高値を抜けたら買う」
このシンプルなブレイクアウトの考え方を、そのままチャートに表示できるのがHLバンドです。
HLバンドは、一定期間の最高値と最安値を結んだ帯を表示し、価格がその帯を抜けたかどうかでトレンドの発生を判断するテクニカル指標です。
海外では考案者の名前をとって「ドンチャンチャネル」と呼ばれ、伝説のトレーダー集団「タートルズ」の売買ルールに使われたことでも知られています。
この記事では、HLバンドの仕組みと設定、ブレイクアウトでの使い方、タートルズのルールの考え方、注意点までを解説します。
HLバンドは、過去の高値・安値を「抵抗線・支持線」として使う考え方がもとになっています。支持線・抵抗線の基本を知っておくと理解しやすくなります。

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FX(外国為替証拠金取引)は元本が保証された金融商品ではありません。為替レートや金利の変動により損失が生じる可能性があり、レバレッジをかけた取引では、相場の急変時などに預け入れた証拠金を上回る損失が発生するおそれがあります。自動売買などの機能を使う場合も利益が保証されるわけではありません。取引を始める前に、各社の契約締結前交付書面や取引説明書をよく読み、仕組みとリスクを十分に理解したうえで、ご自身の判断で行ってください。
HLバンド(ドンチャンチャネル)とは何か
HLバンドの「H」は高値(High)、「L」は安値(Low)を表します。過去一定期間の最高値を結んだ線を上限、最安値を結んだ線を下限として帯(バンド)を描き、その中間に中心線を引くこともあります。
アメリカのリチャード・ドンチャン氏が考案した売買手法がもとになっているため、海外では「ドンチャンチャネル(Donchian Channel)」と呼ばれます。HLバンドとドンチャンチャネルは、基本的に同じ指標です。
価格が上限を上に抜けるのは「過去n期間で一番高い価格をつけた」、下限を下に抜けるのは「過去n期間で一番安い価格をつけた」ということを意味します。この「高値・安値の更新」をトレンドが発生したサインとして使うのが、HLバンドの基本的な考え方です。
HLバンドの計算方法と設定
| ライン | 計算方法 |
|---|---|
| 上限(Hライン) | 過去n期間の最高値 |
| 下限(Lライン) | 過去n期間の最安値 |
| 中心線 | (上限+下限)÷2 |
期間は20がよく使われます。期間を短くすると帯が価格に近づいてブレイクが頻繁に起こり、長くすると帯が広がってブレイクの回数が減ります。
| 期間の例 | 特徴 |
|---|---|
| 10〜20 | 短期のブレイクアウトや、ポジションの決済の目安に使われる |
| 20 | もっとも一般的な設定。約1か月分の高値・安値(日足の場合) |
| 55 | 長期の大きなトレンドをとらえる目安に使われる |
ボリンジャーバンドとの違い
ボリンジャーバンドは移動平均線と標準偏差から帯を作るため、価格が帯の外に出ることがあります。HLバンドは過去の最高値・最安値そのものを帯にするため、価格が帯を抜けた瞬間に帯も一緒に広がり、価格が帯の外側にとどまることはありません。
HLバンドの使い方
上限の更新で買い、下限の更新で売り
もっとも基本的な使い方は、価格が上限を上に抜けたら上昇トレンドの発生と考えて買い、下限を下に抜けたら下降トレンドの発生と考えて売る、というブレイクアウト手法です。
反対側のバンドや短い期間のバンドで決済する
決済の方法としては、買いポジションなら価格が下限を下に抜けたら決済する方法や、エントリーより短い期間(10期間など)のHLバンドの下限を下回ったら決済する方法があります。トレンドが続く限りポジションを保有し、流れが変わったら手じまうという、トレンドフォローの考え方です。
タートルズのルールに見るHLバンドの使い方
1980年代にアメリカで、トレーダーの養成実験から生まれた「タートルズ」と呼ばれるトレーダー集団が、HLバンドの考え方を売買ルールに取り入れていたことが知られています。
| ルール | エントリー | 決済 |
|---|---|---|
| 短期のシステム | 20日間の高値・安値の更新 | 10日間の反対側の高値・安値の更新 |
| 長期のシステム | 55日間の高値・安値の更新 | 20日間の反対側の高値・安値の更新 |
このルールでは、1回の取引で許容する損失を資金の一定割合に抑え、値動きの大きさ(ATR)に応じてポジションの大きさを調整するなど、資金管理とセットで運用されていました。ブレイクアウトの手法は、資金管理と組み合わせてはじめて成り立つという点が重要です。
中心線をトレンドの目安にする
HLバンドの中心線は、過去n期間の値幅のちょうど真ん中を表します。価格が中心線より上にあれば直近の値幅の上半分で推移している、つまり買いが優勢な状態と考えることができます。
ブレイクアウトでエントリーしたあと、価格が中心線を反対側に割り込んだら勢いが弱まったと判断して一部を決済する、といった使い方もあります。
HLバンドを使ううえでの注意点
1つ目は、レンジ相場ではダマシが多い点です。方向感のない相場では、高値や安値をわずかに更新したあとにすぐ戻ってくる動きが繰り返され、ブレイクアウトの売買で小さな損失が重なりやすくなります。トレンドフォローの手法では、少ない回数の大きなトレンドで利益を得て、多くのダマシの損失をカバーするという考え方が前提になります。
2つ目は、エントリーが高値づかみ・安値売りになりやすい点です。ブレイクアウトは「過去で一番高いところで買う」手法なので、心理的に抵抗を感じやすく、抜けた直後に反落することもあります。
3つ目は、MT4には標準で搭載されていない点です。TradingViewには「ドンチャンチャネル」が標準で用意されていますが、MT4で使う場合はインジケーターを追加する必要があります。
ブレイクアウトの手法は損失が連続する時期もあります。1回の取引の損失を資金のごく一部に抑え、損切りを必ず設定したうえで使ってください。
HLバンドのブレイクアウトは、勝率よりも「損失を小さく、利益を大きく」する考え方が中心の手法です。短期間の結果で判断せず、過去のチャートで多くの場面を検証してから使うようにしてください。
まとめ
HLバンドは、一定期間の最高値と最安値で帯を作り、その更新をトレンド発生のサインとして使うテクニカル指標です。
- 海外ではドンチャンチャネルと呼ばれ、期間は20がよく使われる
- 上限の更新で買い、下限の更新で売りのブレイクアウト手法が基本
- タートルズは20日・55日のブレイクと資金管理を組み合わせて運用していた
- レンジ相場ではダマシが多く、資金管理が欠かせない
HLバンドは、トレンドフォローという考え方を理解するのにも役立つ指標です。まずは日足チャートに20期間のHLバンドを表示し、上限や下限を更新したあとに価格がどう動いたかを確認してみてください。
よくある質問
- HLバンドとドンチャンチャネルは違うものですか?
-
基本的に同じ指標です。国内では「HLバンド」、海外では考案者の名前から「ドンチャンチャネル」と呼ばれることが多いです。
- HLバンドの期間はいくつがよいですか?
-
20がもっとも一般的です。長期のトレンドをとらえたい場合は55、決済の目安には10などが使われます。
- HLバンドはMT4で使えますか?
-
MT4には標準で搭載されていないため、インジケーターを追加して使います。TradingViewでは「ドンチャンチャネル」として利用できます。
- ブレイクアウトで買ったのにすぐ戻ってしまうのはなぜですか?
-
レンジ相場では高値をわずかに更新してすぐ戻るダマシが起こりやすいためです。損切りを決め、1回の損失を小さく抑えることが大切です。

