下がるか上がるか判断がつかないとき、両方のポジションを持ってしまえばいいのではと考えたことはないでしょうか。
この「両建て」という手法は賛否が分かれやすく、便利な使い方もあれば、コストがかさむだけの使い方もあります。仕組みを正しく理解していないと、思わぬ落とし穴にはまることもあります。
この記事では、両建てとは何か、メリット・デメリット、FX会社ごとの規制事情、使ううえでの注意点まで、初めてこの手法に触れる人にもわかりやすく解説します。
両建てを行うと、通常より証拠金の使われ方が変わることがあります。証拠金と証拠金維持率の基本的な考え方を先に確認しておくと、理解がよりスムーズになります。

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両建てとは何か
両建てとは、同じ通貨ペアに対して、買い(ロング)と売り(ショート)のポジションを同時に持つことです。「ヘッジ」と呼ばれることもあります。
たとえば、ドル/円を買いポジションで持っている最中に、相場の先行きが読みにくくなった場合、同じ量の売りポジションを追加で持つことで、その時点での損益をいったん固定できます。「決済せずに、実質的に損益の変動を止める」というのが両建ての基本的な考え方です。
両建ては、買いポジションを閉じて売りポジションを新規に持つ「乗り換え」とは異なります。両方のポジションをそのまま残すため、決済によって確定する損益とは別に、いつでも一方だけを決済して残りのポジションだけを継続する、という柔軟な使い方もできる点が特徴です。
両建てのメリット

両建てには、次のようなメリットがあるとされています。
- 損失を確定させずに、いったん様子を見られる:相場の方向が読みにくい時間帯に、決済せずポジションの変動を止められる
- 重要な指標発表の前に、判断を先延ばしにできる:急な値動きが予想される場面で、ポジションを閉じずに一時的にリスクを抑えられる
- 再度の分析・判断の時間を確保できる:損益が固定されている間に、チャートを見直して次の判断をする余裕が生まれる
ただし、これらはあくまで「時間を稼ぐ」効果であり、両建てそのものが新たな利益を生み出すわけではない点に注意が必要です。
両建てのデメリット

両建てには、次のようなデメリットもあります。
- スプレッドコストが2倍かかる:買いと売り、両方のポジションを持つ分、スプレッドによるコストが単純に2倍になる
- スワップポイントが相殺、または両方が支払いになることがある:通貨ペアや時期によっては、買い・売りどちらのスワップも支払いになるケースがある
- 証拠金を余分に必要とする場合がある:FX会社によっては、両建て時の証拠金を通常より多く要求する場合がある
- 判断を先延ばしにしただけで終わることがある:結局どちらのポジションを残すか決めきれず、コストだけがかさんでしまうことがある
両建ては「損益をゼロに固定する」だけの状態であり、その間もコストは発生し続けます。長期間続けるほど、コストの負担が積み重なっていく点はデメリットとして意識しておく必要があります。
FX会社ごとの規制事情
両建てへの対応は、FX会社によって異なります。
| パターン | 一般的な対応 |
|---|---|
| 同一口座内での両建て | 多くの国内FX会社で認められている |
| 複数口座・複数業者間での両建て | 会社によって対応が異なり、規約で制限している場合がある |
| ボーナス・キャンペーンとの併用 | 両建てによるボーナスの実質的な両取りは、規約違反として取消の対象になる場合がある |
特に、口座開設ボーナスやキャッシュバックを目的に、複数の口座や複数の業者をまたいで両建てを行う手法は、多くのFX会社の利用規約で禁止されています。ボーナスの取消だけでなく、口座凍結などの措置につながることもあるため、規約を確認せずに行うのは避けるべきです。
なお、同一口座内での通常の両建てであれば、規約で明確に禁止している国内FX会社は多くありません。取引ツール上でも、買いポジションと売りポジションを両方保有している状態がそのまま表示される仕組みになっているのが一般的です。
両建てを使ううえでの注意点

両建てを実際に使う場合は、次の点に気をつけておくと安心です。
利用前に規約を確認する:利用しているFX会社が両建てをどう扱っているか、公式サイトの規約やヘルプページで確認しておきましょう
いつまで両建てを続けるか決めておく:目的なく両建てを続けると、コストだけが積み重なっていきます。判断を先延ばしにする期間をあらかじめ決めておくと安心です
証拠金の余裕を確認する:両建て中も証拠金は消費されるため、急な値動きに備えて十分な余裕を持っておくことが大切です
まとめ
両建てとは、同じ通貨ペアで買いと売りのポジションを同時に持ち、損益を一時的に固定する手法です。判断を先延ばしにできる、様子を見られるといったメリットがある一方、スプレッド・スワップのコストが増える、コストが積み重なっていくといったデメリットもあります。
FX会社によって両建てへの対応や規約が異なるため、利用前には必ず自分が使っている会社の規約を確認しましょう。目的とやめるタイミングをあらかじめ決めておくことで、コストだけがかさむ結果を避けやすくなります。両建てはあくまで判断を先延ばしにする一時的な手段であり、最終的にはどちらかのポジションを決済して次の一手を選ぶ必要がある、という点を忘れないようにしましょう。
よくある質問
- 両建てとは簡単に言うと何ですか?
-
同じ通貨ペアで買いと売りのポジションを同時に持ち、損益をいったん固定する手法です。
- 両建てすれば損失を防げますか?
-
損益を固定できますが、新たに利益を生み出すわけではなく、コストは発生し続けます。
- 両建てはどのFX会社でもできますか?
-
同一口座内なら多くの会社で可能ですが、複数口座間の両建てなど、会社によって対応が異なります。事前に規約の確認が必要です。
- 両建てを使ううえで一番気をつけることは何ですか?
-
目的とやめるタイミングを決めておくことです。だらだら続けるとコストだけが積み重なってしまいます。

